2009年 04月 27日
ニガグリ庵奇譚 |
さて、土曜日の事である。
いつものようにひねもす一日、ギャラリーで店番をしていると、なにやら二階から物音がするのである。最初は気のせいか、空気の流れの関係等で、たまたま隣家の物音が上から聞こえるかのごとくに知覚されるのであろうくらいに思ったのだが、やがて昼も過ぎると今度は物音だけにとどまらず、聞き覚えのある素敵な旋律を奏でるピアノの音まで聴こえだした。
Claude Achille Debussyのアラベスク第一番。
クラシック音楽に暗いわたしには、演奏者までは見当はつかなかったが、まどろむようにゆったりとしながらも、同時に鋭さと緊張感を感じさせる演奏であった。
それは、例の朝の透き通るような白い光の匂いに良く似ていた。
すると今度はドタドタと、天井から音楽に合わせてステップを踏む音が聞こえだした。
さて、いよいよ奇怪に思ったわたしは、上階の様子を確認するべく、しぶしぶ重い腰を上げた。
するとどうだろう。私たちのギャラリーの二階は、素敵にかわいいキャフェーになっていたのである。
私は店のなかで踊り狂っている女(店には彼女しかいなかったのでおそらく店員であろうと思われた)にコーヒーを頼むと、ソファーに腰掛け本棚にあった内田百間の冥途をパラパラとめくりながら、シガレットに火をつけた。
しばらくして運ばれたコーヒーは、丁寧に手でドリップされていて、なかなかに美味しかった。
キャフェーの屋号は”喫茶アマグリ”と称し、土日の夜8時まで営業しているとのこと。
素敵なお店なので、近くに来られた方は是非立ち寄ってみてください。
http://kasamashop.exblog.jp/
いつものようにひねもす一日、ギャラリーで店番をしていると、なにやら二階から物音がするのである。最初は気のせいか、空気の流れの関係等で、たまたま隣家の物音が上から聞こえるかのごとくに知覚されるのであろうくらいに思ったのだが、やがて昼も過ぎると今度は物音だけにとどまらず、聞き覚えのある素敵な旋律を奏でるピアノの音まで聴こえだした。
Claude Achille Debussyのアラベスク第一番。
クラシック音楽に暗いわたしには、演奏者までは見当はつかなかったが、まどろむようにゆったりとしながらも、同時に鋭さと緊張感を感じさせる演奏であった。
それは、例の朝の透き通るような白い光の匂いに良く似ていた。
すると今度はドタドタと、天井から音楽に合わせてステップを踏む音が聞こえだした。
さて、いよいよ奇怪に思ったわたしは、上階の様子を確認するべく、しぶしぶ重い腰を上げた。
するとどうだろう。私たちのギャラリーの二階は、素敵にかわいいキャフェーになっていたのである。
私は店のなかで踊り狂っている女(店には彼女しかいなかったのでおそらく店員であろうと思われた)にコーヒーを頼むと、ソファーに腰掛け本棚にあった内田百間の冥途をパラパラとめくりながら、シガレットに火をつけた。
しばらくして運ばれたコーヒーは、丁寧に手でドリップされていて、なかなかに美味しかった。
キャフェーの屋号は”喫茶アマグリ”と称し、土日の夜8時まで営業しているとのこと。
素敵なお店なので、近くに来られた方は是非立ち寄ってみてください。
http://kasamashop.exblog.jp/
by tadataka_sudo
| 2009-04-27 12:33