2009年 03月 06日
思考の迷走 |
今日は小山のギャラリーAiでのグループ展の納品に行って来た。
小山方面は道が不案内なので、買ったばかりのカーナビがおおいに役立った。
まあ、ギャラーリーまでの道のりは途中までほとんど国道をまっすぐ一本道なのだが、それでも道が不安になるほどに私は方向音痴なのだ。おそらく耳の奥の三半規管というところに、なにかしらの著しい疾患があるのであろう。
萩原朔太郎の「猫町」で得た知識によれば、三半規管の疾患が方向感覚の知覚に異変をもたらすらしい。
とにかく、私は車にカーナビを搭載したことにより、物心ついてから長らくのコンプレックスであった方向感覚の疾患、迷子の不安を解消したのであった。
今後、私は高度情報社会がもたらしたテクノロジーからの指示に大人しく従ってさえいれば、地理など一切把握しなくとも、後は運転操作を誤らない限りは無事に目的地に到達できるのである。
そう考えると、なんだか急に、これまでの道に迷って心細くなっていた日々が懐かしくも思えて来た。迷子という観念に、微笑ましい情緒的なノスタルジーさえ覚えた。
私は思い出す。
確かアントニオ猪木氏が言っていた。
「道は、踏み外したところから産まれるのだよ」
まあ、道を踏み外すことと道を迷うことは少しニュアンスが違うかもしれないが、それでも猪木の言葉を思うと、私は知らずのうちに何かしらの意外な可能性を失ってしまったのではないかという不安を覚えた。
迷子の不安と引き換えに現れた、新しい不安。
思えばこの世知辛い現代文明は、私から迷子になる機会さえをも奪ってしまったのだ!
今後私はますます情報社会にスポイルされ、システムの奴隷と化すのだ!!
そんなことも知らずに私は、汗水流して得た資金を使って、わざわざ自ら進んでカーナビなどという無粋な機器を買ってしまったとは....。恐るべし現代文明の罠。
しかし、こんなことを表立って公表すれば、皆はそんなものは私の被害妄想だと笑うであろうか。
そうかもしれない。
私は早まって物事を少し大げさに考えすぎてしまったかもしれない....。
なるほど、思えばこのような落ち着きのない思考の迷走も、今まで道を分からなくしていた要因のひとつであろう。
それでも私はさらに妄想を続けたい。
いつの日か来たる未来には、カーナビの様に脳の思考をもナビゲーションするシステムが現れるであろうか。
人々はコンピュータと脳を直結させ、ハードディスクに今日の出来事を記憶させ、CPUの助けを借りて株価の動向をうらう。
これを拒否する者は社会の競争に破れ、路頭に迷より他にないのだ。
そんな世界では、このような無用な思考はシステムの安定を脅かす悪の思想の根源とみなされ危険視されるであろう、等々。
そんな思念を巡らしているうちに、車は無事に目的地へと辿り着いた。
ディスプレイもあれこれ悩みつつも、なんとなくまとまった。
展覧会は明日から来週の日曜日、15日までやってるので、良かったら覗きに来て下さい。
ただし木曜日は休廊ですのでお気をつけて。
ギャラリーの隣は、いい感じに年期が入ったモダーンなカフェになっていて、そちらでお昼にコーヒーとサンドイッチを御馳走になったのですが、サンドイッチが絶品でした。
よかったら、是非そちらも合わせてどうぞ。


小山方面は道が不案内なので、買ったばかりのカーナビがおおいに役立った。
まあ、ギャラーリーまでの道のりは途中までほとんど国道をまっすぐ一本道なのだが、それでも道が不安になるほどに私は方向音痴なのだ。おそらく耳の奥の三半規管というところに、なにかしらの著しい疾患があるのであろう。
萩原朔太郎の「猫町」で得た知識によれば、三半規管の疾患が方向感覚の知覚に異変をもたらすらしい。
とにかく、私は車にカーナビを搭載したことにより、物心ついてから長らくのコンプレックスであった方向感覚の疾患、迷子の不安を解消したのであった。
今後、私は高度情報社会がもたらしたテクノロジーからの指示に大人しく従ってさえいれば、地理など一切把握しなくとも、後は運転操作を誤らない限りは無事に目的地に到達できるのである。
そう考えると、なんだか急に、これまでの道に迷って心細くなっていた日々が懐かしくも思えて来た。迷子という観念に、微笑ましい情緒的なノスタルジーさえ覚えた。
私は思い出す。
確かアントニオ猪木氏が言っていた。
「道は、踏み外したところから産まれるのだよ」
まあ、道を踏み外すことと道を迷うことは少しニュアンスが違うかもしれないが、それでも猪木の言葉を思うと、私は知らずのうちに何かしらの意外な可能性を失ってしまったのではないかという不安を覚えた。
迷子の不安と引き換えに現れた、新しい不安。
思えばこの世知辛い現代文明は、私から迷子になる機会さえをも奪ってしまったのだ!
今後私はますます情報社会にスポイルされ、システムの奴隷と化すのだ!!
そんなことも知らずに私は、汗水流して得た資金を使って、わざわざ自ら進んでカーナビなどという無粋な機器を買ってしまったとは....。恐るべし現代文明の罠。
しかし、こんなことを表立って公表すれば、皆はそんなものは私の被害妄想だと笑うであろうか。
そうかもしれない。
私は早まって物事を少し大げさに考えすぎてしまったかもしれない....。
なるほど、思えばこのような落ち着きのない思考の迷走も、今まで道を分からなくしていた要因のひとつであろう。
それでも私はさらに妄想を続けたい。
いつの日か来たる未来には、カーナビの様に脳の思考をもナビゲーションするシステムが現れるであろうか。
人々はコンピュータと脳を直結させ、ハードディスクに今日の出来事を記憶させ、CPUの助けを借りて株価の動向をうらう。
これを拒否する者は社会の競争に破れ、路頭に迷より他にないのだ。
そんな世界では、このような無用な思考はシステムの安定を脅かす悪の思想の根源とみなされ危険視されるであろう、等々。
そんな思念を巡らしているうちに、車は無事に目的地へと辿り着いた。
ディスプレイもあれこれ悩みつつも、なんとなくまとまった。
展覧会は明日から来週の日曜日、15日までやってるので、良かったら覗きに来て下さい。
ただし木曜日は休廊ですのでお気をつけて。
ギャラリーの隣は、いい感じに年期が入ったモダーンなカフェになっていて、そちらでお昼にコーヒーとサンドイッチを御馳走になったのですが、サンドイッチが絶品でした。
よかったら、是非そちらも合わせてどうぞ。


by tadataka_sudo
| 2009-03-06 23:29